めまいに関する質問「良性発作性頭位めまい症」は両方同時に起こるのでしょうか?
- 佐々木長生整体院 院長
- 9月22日
- 読了時間: 4分

こんにちは、佐々木長生整体院の佐々木です。今回から当院のyoutubeチャンネル「誰も教えてくれないからだラボ」に頂きましたご質問についてブログで私の見解を述べて行くブログにしようと思っておりますので何卒よろしくお願い致します。今回は良性発作性頭位めまい症という症状に関してのお話しです。どちらかの耳を下にして横向きに寝た際や、起き上がる時に短い時間(1分未満)でおさまるめまいの症状が頭位めまい症です。
耳の中にある「耳石」が剥がれて本来とは別な場所に!
耳の中には炭酸カルシウムの結晶があり、体のバランスをとる上でとても重要な役割を担っています。この結晶が剥がれ落ちてしまい、三半規管などに入り込むことでリンパ液のながれに異常をきたしてしまい、頭を動かすたびに回転性のめまいが起こるようになります。
原則として片方の耳で起こることが圧倒的に多く、例えば横になって寝る姿勢をした時、症状が起こっている耳を下にするとめまいが起こりやすく、寝ている姿勢から急激に起きあがろうとすることでも同様の症状が起こりやすくなります。
両耳で同時に起こることはないのか?
片耳で起こることが圧倒的に多く、両側の耳で同時に起こることはそれほど多くありませんが、近年では両側性で起こる症状も一応確認されているというお話しでした。ただそれでも、極めて稀なことと表現してもよいほどの確率であることは確かだと思います。
元々人間の体や神経は左右別々に機能しており、ほとんどの症状の場合は原則として片方に起こることがほとんどで、内臓の病気や不調などから起こる症状は別として、大半の場合はどちらか一方もしくはどちらか一方に極端に強く症状が現れるようになります。
インターネットに出ているエプリー法は少し足りない
インターネット検索などで、頭位めまい症の改善方法のひとつとして出てくる「エプリー法」ですが、確かに方法としてはある程度正しい部分もあり、それなりに確立されている方法ではありますが、実は少しだけ足りないところがあります。
エプリー法とは簡単に説明をすると、ベッドや床に横に仰向けに寝る姿勢になって、顔だけを症状が起こる耳を下にするような体勢をとって数十秒程度そのままの姿勢をとります。その顔の位置を元にもどして反対方向へ体ごと横向きになります。ニュアンスとしては「別な部分に入り込んだ耳石を一度抜き出して、その後元の位置に戻してあげる。」というような感じのことをこの体操で行っています。
ただこれはあくまでも平らな場所で行っている方法がほとんどですが、実はこの耳石を一度抜く動作の際、頭の角度が体よりもやや下の位置になければうまく抜き出すことができません。その為少し段差のある場所で頭部が体よりもやや下がる位置になるようにして行う必要があります。
少しわかりにくいですが、例えばベッドに寝る状態を思い浮かべて下さい。ベッドの枕を置く位置よりもさらに上に頭部を出すように仰向けになります。そうすると頭部がベッドからはみ出す感じになります。その状態は頭が仰向けに寝た体よりも頭部が頭頂部が少し下がる姿勢となります。その状態でエプリー法を行うことが必要となります。
正しい方法で尚且つその症状が「本当に頭位めまい症」であれば必ず変化を感じられる
ここからは推測や虚偽などではなく、実際に当院であった実例を元にしてお話しをさせて頂きます。タイトルに「本当に頭位めまい症であれば」という文言を書きましたが、実際に耳鼻咽喉科で頭位めまい症の診断を受けてきた患者さんの中で別な症状だったという実例がいくつもあります。なぜ別な症状だったのかわかったのかというと、どう考えても頭位めまい症の症状とは受け止めにくい症状だった方々に、別な科で再検査を受けて頂きたいというお話しをさせて頂き、複数名の方に別な原因が見つかっています。もし頭位めまい症ではなかった場合、エプリー法はなんの意味もありません。この複数名の方の症状は脳の病気、自律神経失調症、更年期障害、肝機能障害などなど多種に渡ります。もし頭位めまい症と診断されてなかなか改善されないと悩んでいる方は一度、人間ドックや別な科で再検査してみてもらうのもひとつの手段だと思います。

