急激に体を伸展させたりひねったりする「スラスト法」によって体をボキボキ鳴らす行為に関しまして、特に頸椎部(首)の場合、脛骨動脈(けいこつどうみゃく)の損傷や、腰椎に比べて骨の面積も小さく、不安定な頸椎部の様々な組織の損傷が考えられる為に、数年前に厚生労働省から注意喚起されています。

 本来の矯正やD.C.(ドクターオブカイロプラクティックの先生)はただ瞬発的にひねるだけの行為ではなく、各関節の角度を一定に保った上で一方向に力を加えると同時に伸展させて矯正するものであり、ボキボキという音を鳴らすことが本来の目的ではありません。先生の中には音が鳴るまで必要以上にひねって鳴らそうとする方もいるということでしたが、それは誤った手法となりますので注意が必要です。

 矯正を売りにしている先生(国家資格者・民間資格者ともに)の中には、骨盤部の歪み、足の長さの違い、肩の高さの違いなどを挙げて、あたかもそれが不調や痛みの原因としてお話しをされる方がとても多く見られますが、人間の左右の脳はそれぞれが別々に機能しており、肉体を左右均等に使うことはほぼ不可能となります。また、体に左右差が生じていても、痛みや不調を感じていない方もたくさんおられるのが現状です。これに関して、日常生活を送る上で、痛みや不調を伴わない歪みや捻転(ズレ)は問題がないと言われていますので、どんな症状でも歪みを問題視する術者にはやや注意が必要だと言えますので、いつ、どんな症状で行っても、ほぼ同じような施術しかしてもらえないという治療院や施術院、とにかく体を鳴らしたがる、鳴るまで執拗に体をひねるような治療院や施術院だった場合には通院を一度考えてみた方が良いかもしれないという目安になさって下さい。

 元々の整体療術の成り立ちに体をボキボキと鳴らす手法はなく、これはカイロプラクティックの先生の使うディパーシファイド・テクニックを真似て行っている手法になります。本来の整体療術は「手当て」と呼ばれる手法で、人間の体の癖(体壁)を見た上で、問題となっている部位に手を当てて表皮(皮膚表面)への柔らかな刺激や、体の脊椎周辺に当たる中枢の筋肉を的確に捕まえて体全体を揺さぶることで筋肉調整を目的とした一般操作をメインの施術として、各関節の可動域を制限させながら動作によって矯正することが「和の医学」と呼ばれた本来の整体療術です。