1回目と2回目の診断内容が違う!?いったいどれが本当なの!?

最終更新: 9月18日

 こんにちは、山の上の院長です。今回ご相談を頂いたのは、中学生のお子様の膝の痛みについて親御さんからです。数日前から片方の膝が痛いということで、詳しい部位としては膝蓋骨(膝の皿)の内側のやや下側と言えばよいでしょうか。最初に整形外科へ行って検査(MRIだったかCT?と言う感じでした)をしたところ、最初の診断では「骨折」と言われ、数日後に行った時には「靭帯損傷」ということだったそうです。画像撮影は1度きりで、これは診察に当たった医師も同一の方だったということでした。骨折と靭帯損傷では明らかに別症状となるので、同じ画像で異なる症状となると、考えられることはそうそう多くはありません。ではなぜこのようになってしまったのか、対処方法は?というところをお話しして行きたいと思います。




同じ画像で診断内容が変わる?それってどういうこと?


 今回のケースは、同様の医師が2回対応しているということと、診断時の画像撮影は最初の1度だけだったということです。同じ画像を見た同じ医師は、1回目が骨折の診断。その後、大会に出るということで、走ってみてその後どうだったのかを聞かせてほしいと言われたということで、大会後に再度来院。その際に痛みの度合いやひどくなったのかどうかを患者様が伝えたところ、2度目の診断は靭帯損傷ということだったそうです。治療に関しては特に何もせず、サポーターやテーピングなどの処置も特になく、痛み止めの処方だけということでした。

 このことから考えられることはおそらくひとつしかないと思いますが、画像診断の際、画像には明確な損傷部位が写っておらず、医師自身も明確な痛みの原因が分かっていなかったということだと思います。その為、骨折と診断した後に大会に出場させ、その時の状況を詳しく聞いて判断したいということなのではないかと考えられます。その大会後に明確な痛みの増悪や腫れの症状などが出ていなかったことから、2度目の来院時には靭帯の損傷と言い換えただけのことだと思います。明確な原因がわからない以上、治療法に関しても何をやって良いのかわからず、痛み止めの処方だけで経過観察ということになったこと以外に理由は考えられません。

 私は普段から患者様にお話しをしておりますが、最初の段階できちんとした原因が分からない以上、スタートが曖昧になってしまえば治療や施術法も、その後の経過も良いものになることはないと思います。だからこそきっと、どんな治療や施術を繰り返しても良くならない症状に悩まれている患者様は、最初の診断や検査結果が本当に正しかったのかをもう一度考えて頂くことが必要となります。セカンドオピニオンやサードオピニオンはそこからがスタートとなります。



膝関節の痛みは関節から起こるケースは意外と少ない!


 膝関節の痛みで一番と言って良いほど多いケースが、関節の不具合によって起こる症状と言われることだと思います。例えば良くあるのが軟骨の減り、関節の隙間がせまい、骨の変形などだと思います。もちろんその場合による痛みもありますが、大部分は違う原因によるものが圧倒的多数で、加齢によるものという理由は痛みに対してなんの指標にもなりません。加齢による痛みという診断は言わば「逃げの言葉」であり、加齢は「もう治らない症状」と言っているのと同じことです。

 今から私が書く内容は、もしかしたら膝の痛みに長く悩まれている方にとっては「信じることのできない内容」かもしくは「衝撃的な内容」になるかもしれませんが、痛みに悩まれている方にはぜひ見て頂きたいと思います。

 今年に入ってからすぐの頃だったと思いますが、ある膝の痛みの名医が夜の健康番組に出ておりました。その日の番組のテーマは「膝の痛み」に関してということでした。私は「どうせこの先生も、関節の問題とか言うんだろうなぁ」と思っていると、その医師は関節の問題を否定されました。この先生は他の先生とは違うなとすぐに感じました。なぜなら、私が当院へ来られる患者様に何年も以前からずっとお話ししてきた内容と似ていたからです。それは、年齢も性別も同じ方を街頭インタビューで探して、ひとりは膝の痛みがある方、もうひとりの方は膝に痛みがない状況の方でした。ふたりのレントゲンを撮影してみると、痛みがある方もない方も、関節の隙間も軟骨の状態も変わらなかったというものでした。実際にテレビではレントゲン画像も公開していました。もし軟骨や関節の隙間の狭さが痛みの原因であれば、ふたりとも痛みが出るはずだということです。しかし実際は痛みが出ている方とそうでない方にわかれています。


 例えば、軟骨が減っている、関節の隙間が狭いと言われた患者様に伺います。ヒアルロン酸の注射を勧められましたか?また、現在その注射をしていますか?


 結論からお話しさせて頂きますが、ヒアルロン酸の注射で軟骨が増えることも、関節の隙間が広がることもありません。もちろんこれはグルコサミンなどのサプリメントなども同じです。グルコサミンなどで軟骨が増えることはありません。もし実際に注射やサプリメントで痛みが和らいだ、もしくは痛みが無くなったという方がいるとすれば、それは関節の問題でもなんでもなく、日常的な動きの中で筋肉的な症状が改善されたというだけだと思います。





ご自分の歩き方を確認してみて下さい


 膝が痛い方に多く見られるのは、痛みの種類や度合い、関節の隙間や軟骨の状況ではなく、「歩く時に地面をこするように歩く」ということです。俗に言う「すり足」という状態です。この場合、靴底の減り方を見てもらうとはっきりとわかりますが、なんの段差もないところでもつまづくことがとても多くなります。

 すり足は何が問題なのかというと、太ももとふくらはぎの筋肉の収縮運動ができていないと言うことです。膝の関節が曲がり、足首がきちんと可動した歩き方であれば、常に太ももとふくらはぎの筋肉は「収縮と伸展」を繰り返しています。  このように収縮運動ができていれば、筋肉にある毛細血管や、筋肉に挟まれている動脈なども、ポンプの作用と同様に血液を送り出す補助的な役割が期待できます。また、人間の筋肉と筋膜の関係を以前、ブログでも書きましたが、長時間動きの少ない筋肉と筋膜は、癒着を起こして動きが悪くなります。動きが悪くなると関節の可動する範囲が狭くなり、動けない筋肉はつながっている骨を引っ張ります。痛みがあればなおさら動かすのをやめてしまうのが人間です。

 痛みが出たからそうなっているのではなく、痛みが出るような動作などを繰り返したが為に痛みが出始めたということだと思います。痛みが出ると、その痛みをかばうように歩行したり動作したりするようになってしまう為に、余計に痛みが増したり、別な部位に新たに痛みが現れたりすることが多くなる「悪循環」に陥ってしまうことが多くなりますので、そのような状況となるとなかなか痛みが消失して行かなくなります。これが「慢性痛」と言われる症状となります。  すり足のような足首が稼働していない歩行は痛みだけでなく、むくみの大きな原因のひとつにもなります。例えばハイヒールなどのかかとの高い靴を履いている方は、かかとが高い為に、かかとから地面に下ろすような歩き方ではなく、つま先から前に出すような歩き方になってしまいます。これは靴の形状の性質上、どうしても仕方のないことですが、このような場合にはむくみが出やすい状況となります。仕事上、どうしてもヒールの高い靴を履かなければならない場合もあると思いますので、仕事中には合間を見ながら、イスに座って頂き、片足を組むような体勢で足首を何度も動かして頂くと良いと思います。また休憩中などは靴を脱いで頂いて同様に行ったり、自宅に帰られてからは仰向けに寝て頂いて、クッションなどに足を上げて同様に足首を何度も動かしてみて下さい。  膝の痛みの場合には、太ももの筋肉をよく動かしてみることをおすすめ致します。太ももの筋肉は、その多くが膝関節につながっており、太ももの筋肉の状況が膝に大きな影響力を持っているということをわかって下さい。例えば、太ももの筋肉の硬さが、注射の針の刺激などによって弛緩すると、膝の痛みは消えて行きます。これがヒアルロン酸注射で痛みが消えた方が、ヒアルロン酸で治ったと錯覚している状態だと言えると思います。したがって、膝の皿を中心に考えて、どの部分に痛みが発生しているのかをきちんと確認し、その部位に付着している太ももの筋肉上のどこかに拘縮部位がないかどうかを触診することで、詳しい原因部位が特定できます。特定できたのであれば、あとはその部位の拘縮を解いてあげることで痛みは十分に緩和もしくは改善します。拘縮を解いてあげる方法としては手技(マッサージや整体、カイロプラクティックなどの手による施術)や鍼治療などが代表的なものだと言えます。



骨は特に異常なしは、異常がないということではない!


 最近患者様にお話しを聞いていると、整形外科で受診をした際に言われる言葉で多いのは「骨には特に異常がないので、痛み止めと湿布で様子をみましょう」とか、「靭帯の炎症かなぁ(筋肉の炎症かなぁと言われるケースもあるようです)」と言われ、結局は痛み止めの内服薬と湿布のような外用薬の処方だけとなり、数週間、数ヶ月経過しても症状が改善しないということがとても多く、通院している患者様の中でも毎日のように電気治療を行う為に通院されている方がとても多く口にする言葉が「気休め」という言葉でした。  電気治療を行っている最中は、いくらかは「良い様な気がする」ということでしたが、自宅へ帰るとまた同じという状況を繰り返しているということでした。

 スポーツをしているお子様や選手などから多く聞こえてきたのは、「骨には特に異常はないから、多分靭帯(筋肉の場合もあり)の炎症かなぁ」というような曖昧な診断に関してでした。骨には特に異常はないという言葉は「異常なしではない」ということです。どこかに異常が生じているから痛みや不調が現れているのです。つまり、「異常なし」ではなく「異常がわかりません」ということなのだということを理解して下さい。

 ここ最近、医師の間でも痛みや不調の問題を、筋肉の問題として捉える先生が増えてきました。その為か、テレビ番組などでも姿勢の問題や動作の問題を定義されることが目に見えて増えてきました。私から言わせて頂ければ「今さら」と思うようなことばかりで、本来我々の分野がその道には長けている分野ですし、今までその筋肉の状況から起こる痛みという考え方に対して、臨床研究やエビデンスがないということで半ば否定されてきたような感じでした。しかし、そのような考え方を持つ医師が増えてきたという事実に対してはとても良いことだと思います。  優劣をつけることはできませんが、確かに急性期の症状も大切ですが、何年も治療や施術を続けても改善されない症状に対しても、加齢のせいにするのではなく、もう少し重く受け止めて頂きたいと思います。

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