筋肉量が少ないから痛みが出る!?筋肉をつければ痛みはなくなるのか?

最終更新: 9月18日

 高齢の患者様のお話しを伺っていると、かなりの度合いで伺うお話しが「筋肉をつけて下さいと先生から言われた。」とか、「筋肉を鍛えて下さいと言われた。」というお話しです。筋肉を鍛えれば痛みが無くなるのか?という疑問をぶつけられることがとても多く、それくらい多くの方々が筋肉をつけるよう促されているということなんだと思いますが、結論から言ってしまえば状況にも左右されますが答えはNoだと思って下さい。その辺に関して詳しくお話しをさせて頂きたいと思います。




現時点での患者様の体の状況


 例えば、今現時点での患者様の体の状況が、普通に日常生活を送れるレベルであると仮定してお話しをしますが、日常的に朝起きたりご飯を食べたり、歩いたりお風呂に入ったりできている状況では、日常的な生活を送れるだけの筋力が充分に備わっていると考えることができます。これが例えば、若年層におけるスポーツ選手だとか、お子様がスポーツをしているという状況下であれば、使用している道具や器具などに筋力がついて行かずに、結果的に体を痛めてしまったということであれば筋力アップは必要となってきますが、最初の冒頭でもお話し致しましたが、高齢者の方に多く聞かれるということを考えた時、高齢者の方がそのような道具や器具などを用いたスポーツを行って、体を痛めるという状況はほぼ考えられません。


 普通に日常生活を送る中で、自然と痛みが体に現れてしまい、特に何か痛めた記憶もないという状態がとても多く、そうなってくると単に筋力アップを図ったからと言って痛みが消えてしまうということは考えにくいと思います。



筋肉量ではなく動作不良


 ある医師が言った言葉ですが、「筋肉量が多ければ痛みが出ないもしくは、痛みが無くなるということであれば、プロのアスリートはどこも痛くないはずだ。」という言葉です。これはまさにその通りだと思いますが、プロのアスリートはスポーツをして生計を立てていますので、普段からトレーニングを欠かさず行っていると思います。


 ではここで考えて頂きたいのですが、どんなスポーツ選手も痛みには全く縁が無いのだろうかということです。そんなバカな話しはありません。どんなにトップアスリートだとしても、常に痛みとは背中合わせで行っているのです。また、アスリートの場合にはケガとも背中合わせだということもあり、普段から体のケアがどれほど大切なのかをきちんと理解している選手がほとんどです。


 それであれば、ケガをしないという前提であれば痛みは全く現れないのかというと、決してそうではなく、なぜ痛みが起こっているのかわからずに悩んでいる選手も実際におられます。


 多くの場合は、筋肉量が重要なのではなく、今現在備わっている筋肉がきちんとその性能を発揮できているのか、左右の筋肉の動作に差が生じていないのか、筋肉はきちんと動作できているのかということが痛みと密接に関わってきます。





様々な原因によって筋拘縮が起こり得る


 人間の筋肉が動作不良となってしまう原因は色々な状況が考えられます。その中でも特にご高齢の方に限って言うと、生活の中で充分に筋肉が動作していない生活を送られているということだと思います。


 年齢を重ねれば重ねるほど、人間の脳は体に無理をかけて壊さないようにと、使用する筋肉を制限します。この制限がなければ筋肉がその動作に耐えられず、例えば筋繊維の断裂や組織の破壊などを起こすと考えられます。


 皆さんの身近に起こることでも良くわかる例がありますが、人間は年齢が若いということと、日常的なトレーニングなどの繰り返しによって、ここまでなら筋肉に負荷をかけることができると判断し行動をします。しかし年齢を重ねてゆくと、肉体が動作時にかかる負荷に耐えられなくなり壊れてしまう可能性が生じてしまい、脳が無理をさせないようにリミッターを設定します。その為、年齢が上がれば上がるほど、反応が早い筋肉(瞬発的に動作する筋肉)の使用を控えめにして、反応が緩やかな筋肉(持続的に動作する筋肉)をメインで動作させようとします。


 こうなるとどのようなことが起こるのかというと、筋肉痛が数日後に遅れて現れるという状況となります。よく歳をとると筋肉痛が遅く出るというお話しを聞いたことはありませんか?しかしこれは年齢とは関係なく、どんなに年齢のいっている方でも、瞬発的な動作をする筋肉を使うことで、その日にすぐに筋肉痛は現れます。


 このように、若い時と高齢者の方とを比較した場合、高齢になればなるほど筋肉にかかる負荷を軽減しようとしてしまい、結果的に動作量や動作範囲(可動域)が減少し、充分に筋肉が動いていない状況が長期的に持続していまうことで、筋肉が普段の動作範囲でしか動作できない状態となり、筋肉の拘縮が起こってしまうと考えられます。



お子様に起こる膝やかかとの成長痛も同様


 お子様に起こる膝の成長痛やかかとの成長痛も、実際にはこれと同様の状況下によって生み出されています。


 膝であれば大腿部(太もも)、かかとであれば腓腹部(ふくらはぎ)の筋肉の動作不良が起こることで充分に伸展(伸びる)することが出来ず、筋肉量の多い方向へ膝の膝蓋骨(皿)やかかとの骨端が引っ張られてしまい、それによって痛みが現れます。この時、膝蓋骨と呼ばれる膝の皿をつなぐ上下の腱の下側が剥離してしまうとオスグッド・シュラッター症と言われ、かかとの骨端が剥離してしまうとシーバー(シーパー)病と言われます。


 現在は食事の質や食事の際の姿勢、トイレなどが欧米化されており、日常生活の中で股関節、膝関節、足首の関節が各90度以上の角度に曲がることが極めて少なく、さらには動物性たんぱく質の摂取量がどうしても増加傾向となっています。こうなってくると、筋肉の質の問題や、筋肉が伸びることのできる伸長率に問題が生じてしまい、近年ではかかとを着いてしゃがむことができない、体育座りができない(手を後ろについていないと後ろに転がる)などの体の環境が問題視されています。


 例えば筋肉の伸長率が150%だった場合、10cmの筋肉であれば15cmまで伸びれるということを意味しますが、これが130%だったお子様が仮に、スポーツなどをしている状況の中でとっさに自分の持っている130%の伸長率を越えて動作してしまった場合にはケガとなってしまう可能性がとても高くなります。



体操やストレッチを日課にすること


 筋肉の量が多いか少ないかではなく、今備わっている筋肉がきちんと動作できるかどうかの方がはるかに大切なことです。筋肉の性能がきちんと発揮できているのか、きちんとした伸長率に近い状況で動作ができているのかどうかが痛みに関しては重要となってきます。人間の筋肉は必ず、前後、左右で正反対に動作しています。例えばお辞儀をした時にはお腹側の腹筋群が縮み、反対の背筋群は伸びています。その為、前後左右を交互に動かす(前に曲げたら次は後ろへ反る、右に曲げたら次は左に曲げる)ことがとても大切です。ストレッチもこのような順番で行うように心がけましょう。またご高齢者の方はぜひ、ラジオ体操を行ってみてはいかがでしょう。ラジオ体操は必ず左に動作をした後は右へ、前に曲げたあとは後ろへというようにプログラムされたとても素晴らしい体操です。ぜひ毎日の日課になさってみて下さい。

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佐々木長生整体院

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