子供の成長過程で起こる症状を予防してゆくことの大切さについて考える!

最終更新: 9月18日

 こんにちは、山の上の院長です。お子様のスポーツシーンは小学生、中学生、高校生では少し異なりますが、どうしてもお子様の運動における様々な症状の中で切り離すことのできない問題が「成長過程における痛みや不調の数々」だと言えるのではないでしょうか。


 お子様の成長過程で起こってしまう症状に対する一番大切な考え方としては、「痛みが出てからでは遅い」ということと、「痛みが出てしまった場合、どのように回復させるか」という2つのことに尽きると思います。本来一番理想なのは、痛みが出ないように普段から心がけておくということですが、痛みや不調が出てしまってからでなければ気が付かない、もしくは意識しないということがほとんどです。


 そこで今回は、成長過程における代表的な症状と、事前対処法と痛みが出てからの対処法について考えてみたいと思います。スポーツをされているお子様をお持ちの親御様、指導に携わる方必見です。




膝とかかとの成長痛


 お子様の成長過程における症状の代表格と言えば「膝とかかとの成長痛」ではないでしょうか。膝の成長痛の場合は膝蓋骨(しつがいこつ)と呼ばれる膝の皿の骨の下側に痛みが出ることが多く、かかとの成長痛の場合にはかかとの後方、アキレス腱の下側に起こることが多くなります。この痛みはそれぞれが関節部の不具合で起こっている痛みではなく、骨同士をつないでいる筋肉の端である腱の部分が、腱の付着部分を引っ張ることで痛みが出ています。例えば太めのゴムチューブを、2人で両側から引っ張り合ったことを想像してみて下さい。ある程度伸びたところで伸びれなくなり、力の強い人の方へ引き寄せられるか、もしくは切れるかのどちらかになります。この時と似たような現象が体内でも起こります。本来人間の筋肉は、かなりの柔軟性があり、元の長さに対して140%から180%ほど(部位による)の伸縮性があると言われています。伸縮性のあるテーピング材であるキネシオテープは、この伸縮率を元にして作られています。

 しかし、成長期に身長が伸びるのは、骨の長さが長くなっていることで起こっていますので、骨と骨とをつないでいる筋肉もそれに伴って少しずつ伸ばされてゆきます。伸ばされていった筋肉は先ほどのゴムのお話しと同様で、ある程度までは伸びるものの、それを超えた時にはどこかを引っ張るか切れるかしかなくなります。では引っ張る時、力の強い方向へ引っ張られますが、太ももの場合には上の筋肉の束の太い方向へと引っ張られますので、、膝の場合には膝蓋骨を上側へ引っ張り上げます。かかとの場合にはふくらはぎの筋肉の束の太い方向である膝裏側へと引っ張ります。この時、膝の皿の下側の腱である膝蓋腱(しつがいけん)が、かかとの場合にはかかとの骨の端の部分である骨端(こったん)が引き上げられる為に、膝の皿の下、かかとのアキレス腱側に痛みが現れます。

 膝の膝蓋腱下部の腱が極度に引っ張られてしまうことで剥離してしまうと、膝の皿の下が盛り上がってしまいます。この状態になると俗称オスグッドと呼ばれるオスグッド・シュラッター症に、かかとの骨端が剥離してしまうと踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)もしくはシーパー病(シーパー症・シーバー病)となります。一度剥離してしまった腱や骨端が回復するまでに要する時間は、運動を行いながらとなると気の遠くなるほどの時間がかかってしまうか、膝蓋骨下部が出っ張ったまま戻らなくなってしまうこともあります。

 対策としては、太ももの筋肉、ふくらはぎの筋肉の柔軟性が損なわれた場合に起こる為、痛みが出る前から太ももの前後とふくらはぎのストレッチを十分に行い、常に筋肉に柔軟性を保たせておくことが理想的ですが、痛みがすでに出てしまっている場合でも、ストレッチやマッサージなどが有効となります。その際、痛みやストレッチのキツさに負けてしまい、軽めのストレッチをしてしまいがちですが、強めのストレッチを行う方が改善までが早く済む傾向が強いと言えます。ただし、入浴などで筋肉を十分に温めた状態で行うようにして下さい。尚、太ももやふくらはぎの筋肉の柔軟性は、着地を繰り返すスポーツであるバレーボールやバスケットボールなどで起こりやすいジャンパーズニー(ジャンプ膝)などの予防にも有効です。



後屈運動で起こりやすい脊椎分離症


 必ずしも成長過程で起こるとは言えませんが、成長過程でも多く見られる症状のひとつとして脊椎分離症(せきついぶんりしょう)が挙げられます。脊椎分離症は、背骨を構成している椎骨(ついこつ)部分と、後方の椎弓(ついきゅう)部分との間に亀裂または結合の弱いところが現れ、レントゲン画像でみるとグレーというかうっすらと線が入っています。この症状の特徴としては後屈運動(背中を後方へ反らす運動)の時に痛みが増す傾向が強くなります。

 原因として考えられることについてですが、一番多いのが太もも後方(大腿二頭筋)と臀部(お尻)の筋肉が固くなりすぎることと、大腰筋と呼ばれる脊椎(背骨)を押さえている最内の骨格筋が動けない状態となることで、上体を反らそうとした時に背骨をお腹側に引っ張ってしまいます。その張力が強くなることで骨の結合部を引っ張ることで起こったり、その筋肉に連動するように働きかけている脚やお尻の筋肉の固さによって負担が吸収できず、腰に症状が起こります。また、先天性の可能性もある症状で、生まれつきや成長に伴う骨形成不全によって起こることもあります。

 脊椎分離症は、最終的な悪化を迎えた状態が脊椎部の疲労骨折となってしまう恐れのある症状ですので、もしその症状が疑わしい場合には要注意するべき症状のひとつと言えますので、少しでも疑わしい場合には医療機関での検査や、治療院や施術院などでも徒手検査法に詳しい先生であればある程度の推測も可能だと思いますので、早めに相談するように心がけましょう。

 対策としては、普段から太ももとお尻の筋肉の柔軟性を保つことがひとつとなりますが、すでに痛みが出ている場合には後屈方向へのストレッチや運動はなるべく避けるようにして、背中を丸めるような動作のストレッチと、太もも、お尻のストレッチを中心に行い、痛みがひどい場合の時のみコルセットや生ゴムでできた腰部ベルトなどを用いて様子を見ることも必要です。ちなみに、背部のテーピングは補助にはなりますが、大きな効果は望めませんので注意して下さい。

肘に起こる腱鞘炎全般


 この症状は、成長過程によって起こるというよりは、スポーツの動作によって起こる場合が多くなります。また、大人の方でも普通に起こる可能性がある症状となります。どうしても腱鞘炎というと、手の親指の付け根で起こるというイメージや、狭窄性腱鞘炎(ドケルバン症候群)と呼ばれる小指側で起こることが多い症状のイメージが多いと思いますが、意外と肘で起こる腱鞘炎も指と同じくらい起こり、多くの方の悩みのひとつになっています。しかも、腱鞘炎は基本的には動かさないで下さいと言われる先生が多いですが、腕は普通に生活しているとなかなか安静にできる部位ではなく、どうしても生活の中で使う部位である為に、目に見えた改善がなかなか望めない症状で、長い方では数年続く方もおられるようでした。

 肘の外側と内側で起こる症状になりますが、この症状は多くの別名があります。この別名の中でスポーツをしているお子様に関連性のある症状名と言えば「テニス肘・野球肘」などが挙げられると思います。大人の方だと職種によって起こる腱鞘炎や、ゴルフ肘などが挙げられるのではないでしょうか。

 このテニス肘や野球肘の起こる共通点として、運動時の動作の中で腕を振り出す動作の時、肘の位置が肩よりも低い位置から出ていることが多く、テニスで言うとボレー、野球で言うとサイドスローの時に起こる確率が上がる傾向にあります。サイドスローやボレーの動作を腕に力を入れながらゆっくりとやって頂くとわかりますが、肘の内側に違和感や軽い痛みが現れることがあります。

 腱鞘炎全般に言えることですが、湿布やアイシングではほとんど目に見えた改善はしないと考えて下さい。では対策としてできることはどういうことなのかというと、肘から上の上腕部と、肘から下の前腕部の筋肉に柔軟性が無くなってくると、肘の関節部の腱と、その腱を押さえるように付着している腱鞘(けんしょう)との間で摩擦が強く起こります。上腕部や前腕部の筋肉に柔軟性がきちんとある場合、腕の動作時に筋肉が収縮と伸展をして動けますが、柔軟性が無くなってくると、筋肉が左右に伸びるというイメージではなく、どちらか一方向に「移動する動きのイメージ」になります。少しわかりにくいですが、なるべく簡単に表現するとすれば、腕の筋肉が真ん中から肩と肘の両端に伸びるという動きから、肘から肩の方向へスライドするように動くイメージに変わるという感じと言えば伝わるでしょうか。そのような状態となると腱と腱鞘との間で摩擦が強くなり、互いが擦れている内に炎症が起こるという感じになります。その為、上腕部、前腕部のマッサージと、最近ではスポーツ用品店でも販売しているエルボーバンドなどを使って、なるべく痛みを出さないように生活をして頂くと、早ければ1週間程度、遅くても2週間程度でほぼ痛みはなくなりますので、評判などを参考にして、詳しい先生に診てもらえると意外とあっさりと治ります。



骨に着目するのは結果でしかない


 体に痛みが生じた場合、どうしても関節部分に痛みが現れてしまう傾向が多い為に、どうしても関節の問題や骨の問題、骨の間の組織の問題として考えられがちです。しかし、痛みが出ている部位に着目をするということは言い換えれば、パンクをしているタイヤの穴だけに着目していることと同じで、なぜ穴が空いてしまったのか、いつも走っている道路上に何かあったのか、たまたま何かが落ちていたのか、それともタイヤの劣化なのかなど、原因となることをまるで考えていない状況と一緒です。つまり、今〇〇が痛いというのは結果でしかなく、その痛みを痛み止めや注射などでその時抑えたとしても、いずれまた繰り返してしまう可能性が高いということです。


 私が普段からなぜ「筋肉が大切」だとしつこいくらい話すのかというと、今回の記事を読んで頂ければ何となくわかって頂けるのではないかと思います。なるべくであれば痛みを出さないようにすることが第一であり、万が一痛みが出てしまっている場合には適切な対処方法によって少しでも早く痛みから解放するということが大切です。しかもそれが、スポーツをしているお子様であれば、なかなか安静という状況が作り出せないのが当たり前ですので、スポーツをしながら治してゆく為にはどのようなスケジュールで治療や施術を行ってゆくことが最も最良なのかを考えて、計画性のある治療や施術を行う必要があります。

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