「筋肉をつける」ではなく「筋肉が動くようにしておく」の方が大切!

最終更新: 9月18日

 こんにちは、山の上の院長こと佐々木です。皆さんは運動器症候群という症状を聞いたことがありますか?ロコモティブシンドロームとも言いますが、数年前に日本整形外科学会から発表された症状なのですが、高齢者の方などの足腰の弱い方が、自宅で寝たきりとなる症状を指しています。ただ、この寝たきりの状態という症状の中でも、内科的な病気や難病などではなく、あくまでも運動器や運動系統と言われる「筋肉や骨」の影響で身動きがとりにくくなっている状態のことで、良く耳にするのが「筋肉をつけて下さい。」というアドバイスです。しかし考えてみて下さい。高齢者と言えども確かに人間、90歳前後まで筋肉は発達するとは言われていますが、年齢が高齢であればあるほど、発達する速度は遅く、筋肉が発達するか無理をして体を痛めてしまうか紙一重のところもあります。また、私が注目しているのは「若年層におけるロコモティブシンドローム予備軍」についてです。今回はその辺のお話しをしてゆこうかと思います。




鍛えるのではなく動かす!


 過去に私のところにいらしていた80過ぎの女性の方で、筋力トレーニングをしているとお話しされていた方がおりました。この方は少し極端に受け止めてしまう癖のようなものがある方で、病院の先生から筋肉をつけて下さいと言われ、腕立て伏せや腹筋をやっているということでしたが、筋力トレーニングをやり始めてから体中に痛みが出てしまい、数ヶ月この状態ですということでした。  確かに筋力トレーニング自体は悪いことではありませんが、無理をしすぎることで逆に筋繊維を損傷してしまう可能性があります。しかも高齢であることによる筋肉の強度の問題を考えてみても、筋力トレーニングとなると度が過ぎる行為と考えた方が良いと思います。

 勘違いされる方もいらっしゃるのでお話しさせて頂きますが、例えば全盛時のアスリートのような方であれば、自分を追い込むようなトレーニングというのも良い結果を招くことがありますが、これはあくまでも競技の為にという前提で行っております。運動不足解消や高齢者の方の筋肉状況の改善に関しては、痛みや苦痛を感じながら、それを我慢して行うということはすでに「適度」という範疇を超えてしまっていると考えた方が良いと思います。また、高齢者の方の場合や運動不足解消の場合には、筋肉を鍛えるというニュアンスではなく、「筋肉を動かす」という感覚で行うように心がけて下さい。  あくまでも筋力をビルドアップさせるという目的ではなく「適度な運動」ということをきちんと理解しましょう。せっかく健康の目的の為に行っている行為で、体を壊してしまってはなんの意味もなくなります、それであれば最初からやらない方が良いということになってしまいます。





筋筋膜癒着の問題から考える「予備軍」


 以前ロコモティブシンドロームは高齢者の方の問題として捉えられていました。もしかすると現在でもそのような考え方の傾向が強いのかもしれません。しかし現在、私から見た時に、現代病のひとつになりつつあるというか、現代病予備軍が増えているという表現をした方がしっくりとくるのかもしれません。

 最近の当院に来られる患者様を見ていると、あるひとつの傾向が多く見てとれます。それは「姿勢の悪化や姿勢の長時間保持による筋筋膜の癒着」ということです。人間の筋肉には、筋繊維1本1本が筋膜という薄い膜に包まれており、それらがひとつの束となって筋肉を形成しています。さらにその束になった筋肉の表面も筋膜に包まれており、筋膜は何重にも折り重なっています。正常であれば水分とコラーゲンが主成分の筋膜と、包まれている筋肉とは滑らかに滑るように動いていますが、筋肉ストレスや強い刺激を加えたりすることで水分とコラーゲンが失われることがあり、筋膜と筋肉とが張り付いた状態となります。これが筋筋膜の癒着です。  こうなってしまうと筋肉はきちんと伸び縮みすることが出来なくなり、関節の可動域がせまくなります。この関節の可動域が極端に狭くなっている状況にも関わらず関節を目一杯動かそうとすると、筋肉の伸長度合いが無くなっている為に、筋肉が付着している骨を引っ張ろうとします。お子様に見られる成長痛やオスグッド、シーパー病なども同じような体の環境で起こっており、原因は膝やかかとではありません。

 デスクワークなどで長時間同じ姿勢が続いていることが多い、立ちっぱなしの仕事だ、重機に乗っていることが多い、普段の姿勢が猫背、スマホやタブレットを同じ姿勢で長時間使っているなどなど、30分以上同じ姿勢が続いてしまうことが多いという方は、すでに筋筋膜が癒着を起こしている可能性がとても高いと思います。この筋筋膜の癒着を「こり」とか「ハリ」と皆さんは表現していると思います。これが長い年数続くようになると、体の動きが思ったように行かなくなり、将来的にはロコモティブシンドロームに陥る可能性が上がります。これが「ロコモティブシンドローム予備軍」です。



テレビで放送された医学的に見て良い座り方


 このブログを書いている数日前に、夜の番組で放送された「医学的に見た時に体に良い座り方」という内容の放送についてですが、正直な感想をかかせて頂くと「今頃?」というような感覚も多少はありましたが、医師の方からそのようなお話しが出てくるということに関してはすごく良いことだなぁと思う側面と、両方の想いがありました。  先月は膝の軟骨と関節の隙間が痛みの原因ではないというお話しも医師の方が話されておりましたが、これももっともっと早い段階で出てきても良いお話しだったのではないかと思う反面、医師の方がメディアでお話ししてくれることに対しては良いことだなぁと感じました。

 我々施術家は、本来の原因は痛みの感じている部位ではないということから痛みの本来の原因を見つけようとする仕事ですので、ごく当たり前のことではあります。しかし、メディアを通じて、医師が話してくれるということに大きな意味合いがあると思います。

確かにとても良い座り方やストレッチというか簡単な体操を実演されておりましたが、とても良いことなのですが、この場合でも同様で、どんなに良い座り方だったとしても、長時間同じ座り方で姿勢を保持するのはやめて下さい。  人間の腰を支えている筋肉は、背中側だけでなくお腹側にもあります。その為、座っている姿勢というのは腰を取り巻いている筋肉の中のお腹側を収縮させて、背部側を伸展させている状態になります。この状態を長く続けてしまうと、筋肉が逆の動きになる「立ち上がる動作」の際に支障をきたしてしまう場合があり、椎間板ヘルニアを防ぐことはできても、例えばギックリ腰などの他の症状を引き起こしてしまう可能性が出てきてしまいます。その為、適度に立ち上がったり姿勢を変えたりするように心がけてもらうことが大切です。



全てのことに対して万能なものなど存在しない!


 世の中には痛みや不調に対して、たったひとつのことで全てを補えるというような万能なものや方法などは存在しません。良くテレビで「これを食べれば改善される!」とか「このサプリメントを飲み始めてから・・・。」というような、いささか大袈裟な表現を用いて番組を放送したり通信販売を行ったりという手法が行われますが、それで全てが改善されることは絶対にあり得ません。これは筋肉や骨の運動系統にも同様に言えることで、「これをやっていれば大丈夫!」というものはありません。大切なのは自分の生活環境や様々な影響を及ぼしていることを考えた上で、その時、その状況に合わせた改善策を考えて実践することの積み重ねでしかありません。理想的なのは、痛みや不調が出てから対処方法を考えるということではなく、痛みや不調が体に現れることの無いように普段から体操やストレッチを続けるということです。特に高齢者の皆様に関しましては、トレーニングではなく、体操やストレッチを行うようにしして下さい。重要なのは「筋肉量を増やすことではなく、今ある筋肉がいつでもきちんと動ける状況を作る。」ということです。

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佐々木長生整体院

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